私と個人商店

雑記

個人商店とは、町の肉屋さんや服屋さん、飲食店などの、フランチャイズやチェーン店ではなく、あくまで経営者個人が独立して営む商店です(と、勝手に定義しています)。法人・個人は問いません。

私、個人商店での買い物がめちゃめちゃ好きなんです。

個人商店が好きな理由

やっぱり一番は、店主の趣味嗜好が色濃く出ていることでしょう。
ハワイ好きのガーリックシュリンプ屋さんだったら、店内はハワイのローカルっぽい雰囲気だったり。必ずこだわりポイントがありますよね。お店の人も大抵その道に精通しているので、話していて楽しいです。

個人商店が好きになったきっかけとして、大きく影響を受けているお店とその店主を紹介させてください。

  

セレクトショップのSさん

仙台市の郊外で営業されていたセレクトショップ、洋服屋さんです。
「ふつうの服、あります」といったコンセプトでしたが、拘りが半端じゃない服屋さんでした。

入店すると、まずコーヒーを出してもらえます。で、店内をウロウロしながら1時間くらい世間話。服の話もしますが、記憶では半分くらい店主の恋バナだった気がします(あ、これ見られたら怒られそう)。このお喋りもがめちゃめちゃ楽しいんですよね。

ぼちぼち洋服を見だすと、「ちょっと待っててくださいね」と店主は店の奥へ。なんと、顧客全員のカルテが用意されているんです。見せてもらったことはないのですが、顧客の購入履歴、好きなファッションなど、いろいろ書いてあるっぽいです。

で、カルテを見ながら色々提案してくれます。これまでの購入履歴と、ほかに持っている服などを考慮して「サカシタさんは今この位置にいるから、ちょっと冒険してコレがおすすめ」とか。位置って何よって感じですが、店主の中で顧客のファッションレベルみたいなのが設定されているようです。この提案が凄い的確なんです。最初は少し「えっ」と思う服を提案されるんですが、着てるとコレが段々と馴染んでくるんです。

洋服って、自分主導で買うことが殆どだと思うんです。店員さんにあまり話しかけて欲しくないという人が殆どかと思います。接客を受けるにしたって、アイテム単位の提案はありますが、既に買った服などを考慮して提案してくれる人なんて見たことないです。

お客さんのことを考えて、継続して提案してくれる人がいると、洋服の幅が広がります。服の知識も増えるので、知見も広がります。変な話ですが、成長できます。なので、私は色々提案してくれる店主が好きでした。

  

香り屋のKさん

地元の商店街で営業されていた、アロマやお香を取り扱った、香りの専門店でした。元々、アロマオイルは好きで集めていたのですが、このお店のおかげでアロマキャンドル(ヤンキーキャンドル)やお香(ガーネッシュなど)にハマりました。このお店が好きなところは、香りもまあそうなんですが、店主が音楽好きなのと音楽を中心としたコミュニティがあったことです。

入店のきっかけは、店内から音漏れするMarvin Gayeの「What’s Going On」が聴こえたからです。お店の人と話したい!と思って入店しました。話してみたらめちゃめちゃ楽しかったのを覚えてます。オールマンズが好きと言ったら、クラプトンとのジョイントライブの音源を聴かせてくれたり。いや、まずオールマンズと言って通じるのが嬉しいです。あと、オーディオには全然興味がなかったのですがスピーカーについて色々教えてもらったり。

店主がそんな人なので、お店にも音楽好きが集まってきます。ブルースハープの世界チャンピオンとか、ドラマーのパン屋さんとか。それまで音楽は、一人で黙々と調べて聴いてを繰り返していたので、共通言語で色々話せる知り合いができたのはとても嬉しかったです。個人商店にはコミュニティがあるんだな、と認識しました。

  

まとめ

残念ながら、上記2つのお店はどちらも閉店してしまいました。様々な事情があるのは当然ですし、軽はずみなことは言えませんが、やっぱり閉店すると聞いたときは残念で仕方がありませんでした。

ですが、これらの経験が今の仕事を続けるにあたっての原動力になっているのは事実です。またお二人のような素敵な店主に会いたいですし、お力になれたらと思います。

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